由梨は、バッグの中から、


週刊誌のようなモノを出し、私の目の前に差しだした。


それは、一般の人が買うような雑誌ではなく、


事業家や、株主、ある程度、地位のある人が読むような冊子だった。



「付箋つけてあるトコ、開いてみて・・・・」



由梨に言われるよう、開くと・・・・



中の記事は、私の胸をズキンと、刺すような、内容だった。



「これ・・・・って・・・・」


「私も、パパに聞いてみたの、だけど、
この手の話は、財閥にはよく出る話で、真相はわからないらしいの。 
だから、理子、こんなの信用しちゃダメよ!
こんな真相もわからない記事に惑わされちゃダメよ!
佐戸田さんに、直接会って、確かめるの!」


その記事は、


晃一さんの時期社長就任の記事と・・・



大手製薬会社の令嬢との、恋のウワサの記事だった。



私は、持っていたフォークの手をギュッと握り、震えた。


私の手に由梨の手が重なり、真剣な眼差しで、頷く由梨。



「理子・・・・佐戸田さんのこと、好きなんでしょ?」



「・・・・・・うん」