「はぁっっ?!
 ゴホッゴホッッッ」


吸いかけたタバコがむせてしまったようだ。



「ゴホッ、おまっ、今度は一体何だってんだ?!

跡継ぐのがイヤだから、
警視庁でずっと働くんじゃなかったのか?!

どうしたんだよ?!」


タバコを灰皿に押し付け、怪訝そうに俺をみた。



「そんな難しい顔すんなよー

・・・・きっかけは毬子の事件だけど・・・

・・・・潮時なんじゃないかと思って・・・

親父も、さすがに跡継ぎがいないとなると、
役員らの風当たりが強くなってきてるらしいし・・・

運良く、毬子の相手が警官ってのもあったし、
俺の後は、その彼に任せるつもりなんだ。」


「ふーん そうか・・・
いつ辞めるんだ?」


「12月いっぱいまでだな」


「じゃぁ、これから忙しくなるなー」


「あぁ、今、週末や時間空いた日は、日本支社で勉強中だよ
来春、御披露目だってさ



「へぇ~、そうか、
パーティーには俺も呼んでくれよ」


「あぁ、わかってるよ」