「さてと、高木さん、どこか、リクエストある?」
運転席に乗り、私の方を向いて、尋ねた。
「あ、あの、理子、いえ、リコ、でいいです」
「え?」
「名前、リコの方が、呼びやすいかなぁー、なんて、はははっ」
≪一日、恋人同士のふりだからいいよね?≫
「あー、じゃ、俺も、晃一でいいよ、俺のがもっと呼びにくいだろ?」
「はい、って、いえ、わかりました」
≪やだ、なんか、緊張しちゃってる私・・≫
「じゃー、リコちゃん、リクエストは?」
「え?…じゃあ…、海行きたいです。今年の夏、行けなかったから、見たい・・・です」
「了解、じゃ、一番近い海に行こう、その周辺に確か、水族館もあったから、ついでに寄るってのは、どうかな?」
またもや、優しい笑顔を私に向けた晃一さん。
ドキンって、私の胸が高鳴る音。

