捻挫をした彼女を家まで送ったその日、



車を降りようとした俺のスーツの袖を、



彼女が遠慮がちに引っ張った。



上目遣いで俺を見る・・・



美和も、何かをねだる時は、こんな表情だった。



デートをしてほしい・・・・



頬を赤らめ、一生懸命彼女が俺に言った。



一瞬、俺は戸惑ったが、



素直にカワイイ、と思った。



と同時に、声に出して、笑ってしまった。



必ず連絡する、と約束し、



彼女の携帯に俺の情報を赤外線で通信させた。




《美和・・・俺のこの感情はなんだろう?》