「あ~、理子、もしかして、佐戸田さんに気があるの~?」


「べ、別に!」


少し赤くなった頬を見られないよう、クルリと背を向けた。


「諦めなさいよぉ、確か、前に、毬子が、お兄さんには婚約者がいるようなコト言ってたから~」



「こ、婚約者…」



そりゃ、あんなエリートでステキなヒトに恋人の1人や2人いないワケないよね。



でも、でも・・・



今、いるのかな・・・恋人・・・気になる



「毬子も、今、大変みたいなのよ・・・毬子が事件に巻き込まれて、助けにきてくれた人が、怪我して入院してて、毎日、病院通ってるみたいなの。
その人、毬子が好きだって言ってた人だから・・・」



「そうなんだ・・・」



だから、佐戸田さんも、いろいろ心配してるんだね。