オフィス街のひときわ大きくて目立つビルの地下駐車場に入り、
車を降りてエレベーターに乗り、
急上昇する箱の中で
不安な私の表情を読み取った晃一さんが、
私の手を握る。
すると、
横から晃一さんの顔が重なり、
唇を塞がれた。
「んっ!」
突然の行為に目を大きくしたまま、晃一さんのキスを受け止めてしまった。
目的の階に着いたことを知らせる音が鳴ると同時に唇は離された。
「こ、晃一さんっ!」
真っ赤になった私を上から見下ろし、
「緊張ほぐれた?」
そう言って、先にエレベーターを降りていく。
その後ろを、小走りに追いかけた。
重厚そうな扉の前で、晃一さんが止まると、
私の手を繋ぎ、ドアをノックした。

