ホテルを出て、晃一さんに家まで送ってもらう車の中で、
バックの中の携帯を取りだし確認すると、
すごい数の着歴とメール。
お姉ちゃんと毬子さんからだった。
取り敢えず連絡を入れようとすると、
バイブレータにしてあった携帯が震えた。
すぐに通話ボタンを押す、
『リコっ! 今どこなのっ?!』
凄い勢いで話すお姉ちゃんから。
「晃一さんに、車で送ってもらってるの」
『ヨカッター、もう! 心配したわよー』
「ゴメンね、心配かけて」
すると、道路の路肩に車が寄せられ、
私の耳にあてていた携帯を晃一さんが奪い取った。
「奈々子ちゃん?、心配かけてすまない。
彼女を家まで送り届ける前に寄りたいところがあって、少し遅くなるんだ。
心配かけついでだけど、もう少し、彼女を借りていいかな?」
『こ、晃一さん、わかりました。
リコを宜しくお願いします。』
パチンと携帯を閉じて、私に返した。
「あの、寄りたいところって?・・・」
首を傾げながら、晃一さんを見た。
すると、晃一さんは、膝に置いていた手に片手を重ね、
「急だけど、一緒に会社に行ってくれないか? 親父に君を会わせたいんだ。」
「えっ?!!、い、今からですかっ?!」
そんなっ
心の準備もしてないのに、いきなり!?
「今日しかないんだ、明日には親父はアメリカに戻ってしまうから」
ギュッと、私の手を握りしめる。
「わ、わかりました・・・・。あっ、でも、この格好でも・・・?」
「大丈夫、そのままの君でいいから」
そして、そのまま車を発進させた。

