我慢をしていた涙が、堰を切ったように流れた。
隣に座る安井さんが、
私の腕を引き、胸の中にすっぽりと包んだ。
止まることなく、流れる涙。
「俺に・・・俺にしとき、リコちゃん、リコ・・・」
私を包む腕の力が強まり、ムスクの香りが鼻を擽る。
「・・・リコ・・・」
私の唇を安井さんの唇が塞いだ。
「んんっ・・・っやっ・・・」
安井さんの胸を叩き、必死で抵抗を試みる。
が、
強く抱きしめられていて、逃げられない。
唇が離れたと思い、
その隙に逃げようとしたけど、
ギュッと強く抱きしめられて動けない。
「おね・・・がい・・・、はなし・・・て・・・たすけ・・て・・・こう・・・いちさん・・」
ムスクの香りにむせそうになり、
息が上がって、まともに話せない。
そのうちに、
私の意識は、真っ白になり、途切れた。

