安井さんが 夕方から仕事の約束があると言うので、 最寄りの駅まで送ってもらった。 「ほな、理子さん、 また、連絡させてまうから」 シートベルトを外した私の手を握り、 運転席へと引き寄せると・・・ 私の目の前が陰ったと思ったら・・・ 唇に柔らかな感触… な、何っ!? 驚いた私は、 すぐさまその手を振り払い 助手席を降り、 車の中の安井さんを振り返りもせず駅の入口まで走った。 なんでっ! なんで、キスなんかするのっ!?