男の子は甘い物が好きみたいで、常々ホールでケーキを食べたいと言っていた。

だから1番小さなホールサイズで、ケーキを焼いた。

「コレはキミが一人で食べて良いんだよ?」

「やった! おねーさん、お茶ちょうだい」

「はいはい」

紅茶を淹れると、男の子はとっとと食べ始めていた。

嬉しそうに食べているし、今日は誕生日だから、細かいところで怒るのはやめておこう。

…にしても、可愛いなぁ。

甘い物を本当に幸せそうな顔で食べる。

でも普段はお澄まし顔で、子供らしくない。

……きっとこの二面性に惹かれたんだろうな。

どうしようもないほど、このコが好き。

あっ、目の前に『犯罪』の二文字がチラつく…。