「未羽ー、一緒にお昼食べよーっ」 「ウン。いいよ」 四時間目が終わると、クラスメイトが一斉にざわつきはじめた。 思い思いの相手とお弁当を食べようと、机を動かす雑音が床に響く。 わたし、桃城 未羽。 高校二年生になって、数か月。 学校生活はわりと楽しくて、親友の凛子と一緒にお弁当を食べるのが、日課となっている。 「屋上でも行こっか?」 「いいね、行こうか」 天気がいいのを確認するかのように窓の外を見た。 グラウンドでは、お昼の時間にも関わらず、男子生徒がサッカーをしている。