その感情を認めてしまえば、今の自分を、これまで造ってきた自分を、自身で否定することになる。 そんなこと、できるはずがない。 今まで必死になって築き上げてきたものを、まだ壊したくない。 よくない考えが脳を支配しはじめて、綾香は急いでアルバムを閉じた。 ベッドの端にもたれて、煙草に火をつける。 いつからこんなにも、ヘビースモーカーになったのか。 綾香には思い出せない。 .