空では星が煌めいていた。 吐き出した息が僅かに白くなり、すぐに消えていった。 隣を歩く彼女を盗み見ると、姿勢よく前を見ていた。 ──…懐かしいな。 昔も、こんなふうに並んで歩くのが好きだった。 特に何を話すでもなく、ただ並んで手を繋いで歩くのがすごく好きだった。 彼女の凛々しい横顔を見て、卓也は思った。 .