アパートを少し歩くとお兄さんの車が停めてあった。 赤いポルシェ・・・。 煙草を吸い、一服してるお兄さんに声をかけると一瞬シカトされたように見えた。 「あぁ!波留ちゃんか! 顔が違うから誰かと思ったよ。 さ、乗って乗って」 「化粧ですよ、化粧・・・」 そりゃすっぴんとは違うけど・・・ さっきはオフモードのときだもん。 派手な赤いポルシェの助手席に乗ると、鼻につく甘いにおいがした。 ・・・あいつと同じ香水だ。