ふと思い立って。 コートのポケットから携帯を取り出して、メールチェックをしてみる。 時計は六時半。 新着メールは無し。 メールの一つくらい、寄越してよ。 ――あぁ、あたしって最悪だ。 あの人が今日、どれだけ忙しいか知っているのに。 それでも、我慢出来ないなんて。 「こんな女、面倒くさいよね……」