【天の雷・地の咆哮】


雲という雲がどこかへと消えうせてしまったほど、真っ青な青空のもと。

ネプト王の葬儀は、ウェスタ神殿の神官長を中心として三日三晩の祈りを捧げて行われた。

火により守られ、火によって灰になるのが慣わしで、

一般の庶民が土葬されるのとは区別され、王族の遺体は火葬され、城の裏庭に埋められて土に返る。

その場所は、最も神聖な場所として、

禁域、すなわち王族以外の立ち入りが禁じられていた。


冬以外、途切れることなく花が咲き乱れるその庭に、古びた枯れ井戸がある事を知っているのも、

また王族だけであった。


悲しむ暇もなく、それとも悲しまれるほどの力量のない王だったからなのかは定かではないが、

すぐに新しい王が即位する運びとなり、国中の祝福を受けた。


ユピテロカ王。


ロカ、その人である。


そして、同時に、正妃として正式にニュクスが位を与えられた。


その裏でひっそりと、もう一人の女が妾妃になったことを知るのは、

彼女の親族と、王の傍近くに仕える、わずかばかりの人間だった。


新しい王への期待に胸を膨らませる人々が、

失望の海へと漕ぎ出す刻限は、もう目の前まで迫っていた--。