この想いを君に… −あの場所へ−

「走りたかったんじゃない?」

肩で息をしながらも総一さんは俺にそう言った。

「…もうあいつとは走りたくない」

俺は苦笑いする。

本気で取り組めばいけたかもしれない。

でも、一度離れてしまうと…

中々情熱も持続出来ない。



俺はもう、ええわ。

それよりもむっちゃんや知樹を育てていく方がいい。

総一さんがしてきたように、俺も…



ガレージ中に歓声が響いた。

久々のレースにも関わらず祥太郎が優勝した。