「シュンくん、うるさいんですけど」


シュンと呼ばれた彼は、カチューシャとかわいい笑顔が似合う茶色いパーマヘアが印象的な、見るからにチャラそうな男。


「だって、これはひどくね?」


シュンくんの言葉は最もだ。

4人が限界であろうカラオケの一室に、7人もの集団。

座れず立っている人もいる位だ。


「部屋かえてもらう?」


マリやコータくんと相談していると、佳祐が立ち上がる。


「わりぃ」


そう言い残し、携帯片手に部屋を出た。


「マナミさんかな?」

「おい、バカ!」


誰が発した言葉かわからなかったけど、私はその名前に確かに反応したんだ。

視線が私に集中する。