シュンくんとミサキちゃんは、今も付き合ってると聞いた。

だけど、私の中でちゃんと想い出に出来たのは、やっぱりみんなが居たからだよ。


卒業間近の2月下旬。

私達は、それぞれ希望の会社に内定をもらえた。

そのお祝いで、今日この盛り上がりがあるのだ。


「とりあえず、みんな決まって良かったよ」

「まぁ、絵里奈が一番怪しかったけどね」


そう…昨日まで内定がもらえてなかったのは、私だけだった。

この不景気の中、採用してくれた面接官には、感謝している。


「本当、良かった」


と、私はケーキにフォークを伸ばした。


「おい。モンブランは、俺のだって」


佳祐はそう言って、フォークを奪う。