「本当、おもしれぇ女」

「てか笑いすぎだし」


そう言って烏龍茶が入ったグラスに手を伸ばすと、聞き慣れた着信音が鳴る。


「私だ」


バックの中から携帯を取り出し通話ボタンを押すと、室内にはマリの声が響いた。


『久しぶり』


親友の口から出たその言葉に、私は思わず笑った。


「久しぶりだね」

『絵里奈、今どこにいる?』

「佳祐といつものカラオケにいるよ」

『私今コータ達といるんだけどさ、合流していい?』


夏休み中、ほとんどの時間を佳祐と過ごしている私。

そのせいか…いやその"おかげ"か、マリはマリでお気に入りのコータくんと毎日を過ごしていた。