驚いた私は、思わず携帯を耳から離す。


『ねー、聞いてる?』

「あーごめん、どうした?」


苦笑いでそう言う私に、チカは来週のクリスマスの事を話し出した。


『まさか、ミツルとクリスマス一緒に過ごせるとは思わなかった』

「よかったじゃん」


はしゃぐチカがかわいくてそう言ったけれど、私のその言葉にチカは申し訳なさそうに謝った。


『ごめんね』


きっとチカは好きな人と一緒にいられない私を気遣ってくれたのだろう。


「ちょっと、謝らないで。私は大丈夫だから」


佳祐達の事が、気にならない訳じゃない。

でもミっくんとチカ、そしてシュンくんと過ごすクリスマスは、私も楽しみだったりするんだ。