わたしはそのまま

声も上げずに

ただ涙をこぼし続けた



相沢くんは

ときおり背中をさすってくれて

そのまま

抱きしめたりせず

隣にいてくれた



わたしは

この優しさを

利用したというのに



もう優しくしないでと思うほど

わたしの心は

折れていた



この優しさに

すべてをあずけてしまえたら

どんなに楽だろう



でも

頭の片隅ではわかってた



この

心に開いた大きな穴は

誰かの優しさで埋められるものじゃない



例えばパズルのピースのように

似た形では収まらない



決められたピースじゃないと

この穴には合わないんだ