わたしは

谷君から目をそらし

横を向いた



込み上げてくる涙をこぼさないように



どうして

あやまるの?



気付いたって

もう

遅いよ



「でもこれでよかったんだよな」



谷君が

わざと明るく言う



「ハルちゃんには潤の方がいいよ。

まともだし、頭いいし、大人だし、優しいし」



なんで



「なんてゆーの?男でも惚れるようなヤツだし」



なんで

そんな

強がりみたいなこと

言うの?





震えてるの

気付いてるんだよ?



「潤なら、俺のハルちゃん、譲ってもいいよ」



そんな

らしくないこと

言わないで



俺のハルちゃんに近付くなって

いつも言ってたじゃない