粉雪-3年後のクリスマス-

 “彼”のキモチは、本人しかわからない。

ましてやたった数日調べただけの俺が、代弁なんてできるわけがない。


悲しいはずなのに笑う彼女を、とても見ていられなかった。




「……いるよ…」





 驚いた彼女は、慌てて笑顔をつくろっていた。

そんな顔をさせたいんじゃないのに。


「もういないんだってば!
───それに、私が知っているのは、彼の電話番号とIDの『コナユキ』くらい」


「そうじゃない…!」


 さらに目を丸くさせた彼女は、一歩ずつ俺に近づく。

ぎゅっと握り締めていた拳を、冷たい指先で握ってくれた。


「優しいのね、貴方は」

「ちがう……!“ユキ”なら、ここにいる…っ」


 間近で見た彼女は、見た目と反して大人びていて。

まるで、俺一人成長していないように。


「え……?」

 とくん、とくん…

と、急に止まっていた時計が動き出すように、心臓が高鳴る。


 君の一言で、俺はがんばれたんだ。



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