恥じらいながら、震えた声も。
『ユキくん……大好き』
“彼”にも。
そして、
「コナカユキトくんは、もう……」
───この、俺にも。
顔を背けると、じんわりと地面にしみこんでいく雪。
その続きを口にするのが、怖かった。
「ユキくん、死んでるんでしょう?」
だから、彼女から発せられた言葉を信じられなかった。
「……え?」
思わず顔を上げると、困ったように笑う彼女。
寒さのせいなのか、鼻も頬も真っ赤に染まっていた。
「ちゃんと知ってるから」
寂しげに口を開き、つま先を俺の横に向けてゆっくりと歩き始めた。
「ユキくんとはね、インターネットで知り合ったの。 地味で暗い私を、いつも励ましてくれてた」
俺には未知の世界だ。
賛美歌のような彼女の声音が、不思議と心地よかった。
「私には夢があった。けれどこの国では無理だった……」
だから、国際電話だったのか。
次第に戻る感覚に、ポケットにある携帯電話に表示された番号を思い出した。
『ユキくん……大好き』
“彼”にも。
そして、
「コナカユキトくんは、もう……」
───この、俺にも。
顔を背けると、じんわりと地面にしみこんでいく雪。
その続きを口にするのが、怖かった。
「ユキくん、死んでるんでしょう?」
だから、彼女から発せられた言葉を信じられなかった。
「……え?」
思わず顔を上げると、困ったように笑う彼女。
寒さのせいなのか、鼻も頬も真っ赤に染まっていた。
「ちゃんと知ってるから」
寂しげに口を開き、つま先を俺の横に向けてゆっくりと歩き始めた。
「ユキくんとはね、インターネットで知り合ったの。 地味で暗い私を、いつも励ましてくれてた」
俺には未知の世界だ。
賛美歌のような彼女の声音が、不思議と心地よかった。
「私には夢があった。けれどこの国では無理だった……」
だから、国際電話だったのか。
次第に戻る感覚に、ポケットにある携帯電話に表示された番号を思い出した。


