「んじゃ、自己紹介からねー」
同期はシラフにもかかわらず、ハイテンションでマイク代わりに割り箸を握り始めた。
男たちの紹介は、同期によってその割り箸で指される。
名前と職業、そして趣味や特技など簡単に話が回っていく。
そして、俺の番だけ図々しく同期が遮った。
「コイツ失恋直後だから、慰めてやってね!」
などと余計な情報を添えたおかげで、女の子たちは微妙そうに笑っていた。
もうこの時点で俺はアウトだろう。
そのままの勢いもあるのか、同期は女の子たちにビールを注ぎながら聞いて回っていた。
「あ、私たちは大学生でーす」
「女子大生って響きだけで嬉しい!」
参加している女の子二人が、照れながらはじめる。
それに悪ノリしているのは、愛する恋人にため息をつかれている同期だ。
「教師やってますー」
そんな女の子には、
「俺にもイロイロ教えてー!」
「歯科助手を……」
控えめな女の子には、
「次は俺の助手になる?」
と、次々と歯の浮くような馬鹿丸出しの言葉で相打ちをしている。
「……バカ」
同期の恋人の、拗ねたような…けど冗談だとわかっているのか、笑いながら見つめるその視線。
幸せそうな空気が、どこかうらやましくもあった。
.
同期はシラフにもかかわらず、ハイテンションでマイク代わりに割り箸を握り始めた。
男たちの紹介は、同期によってその割り箸で指される。
名前と職業、そして趣味や特技など簡単に話が回っていく。
そして、俺の番だけ図々しく同期が遮った。
「コイツ失恋直後だから、慰めてやってね!」
などと余計な情報を添えたおかげで、女の子たちは微妙そうに笑っていた。
もうこの時点で俺はアウトだろう。
そのままの勢いもあるのか、同期は女の子たちにビールを注ぎながら聞いて回っていた。
「あ、私たちは大学生でーす」
「女子大生って響きだけで嬉しい!」
参加している女の子二人が、照れながらはじめる。
それに悪ノリしているのは、愛する恋人にため息をつかれている同期だ。
「教師やってますー」
そんな女の子には、
「俺にもイロイロ教えてー!」
「歯科助手を……」
控えめな女の子には、
「次は俺の助手になる?」
と、次々と歯の浮くような馬鹿丸出しの言葉で相打ちをしている。
「……バカ」
同期の恋人の、拗ねたような…けど冗談だとわかっているのか、笑いながら見つめるその視線。
幸せそうな空気が、どこかうらやましくもあった。
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