同期の気遣いは、嬉しい。
こんな情けない俺でも気にかけてくれる人がいる。
───ただ。
カノジョ一人、幸せにできず。
先輩の想いに、どこか他人事のようで。
彼女へと、何一つ辿りつけていないのに。
「……考えさせて」
俺は、まだ迷っている。
後悔から抜け出せていない自分に、俺自身が愛想を尽かしてる。
くるりと背を向けて、俺は自分のデスクに向かった。
「ユキ、待ってるからな!」
同期の声が、痛かった。
その日も仕事終わりにあまりこない駅で降りる。
このあたりの大学、というと、二つに絞られるのだが、それ以上は情報がない。
ただ歩いて終わる。
……あのおばあさんに出会った以来、そんな日が続くことになってしまっていた。
相変わらず会社では、後輩がミスをして俺が怒られて。
同期は本調子に戻り、先輩は相変わらず忙しそうで。
街並みも、キラキラとイルミネーションが一際輝いている。
彼女はこの寒空の中、待ちわびるのだろうか。
この手に何も包むものがないからなのか、ぎゅっと握った拳をコートのポケットに突っ込み、震えそうなのを堪えた。
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こんな情けない俺でも気にかけてくれる人がいる。
───ただ。
カノジョ一人、幸せにできず。
先輩の想いに、どこか他人事のようで。
彼女へと、何一つ辿りつけていないのに。
「……考えさせて」
俺は、まだ迷っている。
後悔から抜け出せていない自分に、俺自身が愛想を尽かしてる。
くるりと背を向けて、俺は自分のデスクに向かった。
「ユキ、待ってるからな!」
同期の声が、痛かった。
その日も仕事終わりにあまりこない駅で降りる。
このあたりの大学、というと、二つに絞られるのだが、それ以上は情報がない。
ただ歩いて終わる。
……あのおばあさんに出会った以来、そんな日が続くことになってしまっていた。
相変わらず会社では、後輩がミスをして俺が怒られて。
同期は本調子に戻り、先輩は相変わらず忙しそうで。
街並みも、キラキラとイルミネーションが一際輝いている。
彼女はこの寒空の中、待ちわびるのだろうか。
この手に何も包むものがないからなのか、ぎゅっと握った拳をコートのポケットに突っ込み、震えそうなのを堪えた。
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