情報は得られた。
小さすぎて、まだまだ彼女へとつながる道はせまいけれど……
おばあさんは少し考えてから、ゆっくりと口を開く。
「ああ、小中さんね。少し前に引越しされたわねぇ」
そうであってもおかしくはない。
それは覚悟していたが、出鼻をくじかれるとは幸先悪い。
だけどここで引き下がりたくはない。
「あの、引越し先とか知りませんか?」
「ごめんなさいね、そこまで仲のよいお付き合いではなかったので」
おばあさんは申し訳なさそうに眉をひそめた。
「そう、ですか……」
他にも聞くべきことはないだろうか。
一人内心焦っていると、目の前のおばあさんは「ああ」と、何かを思い出したように笑う。
「そういえば。息子さんが隣町の大学に通っていたと思いますよ」
「ほ、本当ですか!?」
隣町の大学、といったら数は絞れる。
確か生年月日は聞いていたし、その年代をあたればどうにか彼女へと辿り着きそうだ。
俺のすこしだけ晴れた顔を見て、おばあさんはまた嬉しそうに笑ってくれた。
わざわざ夜遅くても、こうして探しに来てよかった。
そう、思った。
その夜は、久しぶりにカノジョのことも考えず眠れた。
まだまだ悩みは尽きないけれど、ほんの少し見えた兆しに、俺はどこか浮かれていたんだ。
.
小さすぎて、まだまだ彼女へとつながる道はせまいけれど……
おばあさんは少し考えてから、ゆっくりと口を開く。
「ああ、小中さんね。少し前に引越しされたわねぇ」
そうであってもおかしくはない。
それは覚悟していたが、出鼻をくじかれるとは幸先悪い。
だけどここで引き下がりたくはない。
「あの、引越し先とか知りませんか?」
「ごめんなさいね、そこまで仲のよいお付き合いではなかったので」
おばあさんは申し訳なさそうに眉をひそめた。
「そう、ですか……」
他にも聞くべきことはないだろうか。
一人内心焦っていると、目の前のおばあさんは「ああ」と、何かを思い出したように笑う。
「そういえば。息子さんが隣町の大学に通っていたと思いますよ」
「ほ、本当ですか!?」
隣町の大学、といったら数は絞れる。
確か生年月日は聞いていたし、その年代をあたればどうにか彼女へと辿り着きそうだ。
俺のすこしだけ晴れた顔を見て、おばあさんはまた嬉しそうに笑ってくれた。
わざわざ夜遅くても、こうして探しに来てよかった。
そう、思った。
その夜は、久しぶりにカノジョのことも考えず眠れた。
まだまだ悩みは尽きないけれど、ほんの少し見えた兆しに、俺はどこか浮かれていたんだ。
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