『彼女』へとつながるものは、なぜか不意打ちを食らう。 フラれたときだって。 仕事で失敗したときだって。 そして、今回は同期を怒らせてしまったときだ。 電話から響く言葉によって、俺の視界は急にスローモーションへと変わる。 「コナカ ユキトさん」 青い空がセピアのように。 彼女の声が、鮮明に。 『ユキくん……大好き』 ───遠くで俺を、呼んでいるのだろうか? .