カノジョにフラれてから、一週間。
同期も忙しいらしく、あれから夜をともにはしていない。
けれど、なんとなく自分の中でも冷静になれてきた気がする。
だからといって、すれ違うカップルをみては、「寒いから」といって、ぴったりくっついてきたカノジョを思い出したりもしている。
矛盾だらけの自分。
眠る前は、必ずといっていいほどカノジョのすっぴんが思い浮かぶ。
料理しようとすれば、手が滑ってお互い醤油まみれになったことも思い出す。
一緒にいて幸せだったのだろうか。
俺はやっぱり、カノジョがいないと寂しい。
できれば、カノジョを笑顔にさせるのは、俺でありたかった。
枕がしっとり湿るのは、後悔の印なのかもしれない。
そうして時間がたち、いまだ未練たらたらのまま、いつもの朝がやってきた。
相変わらず後輩の仕事ぶりにため息をつき、課長には怒られる。
だが、後輩も「ユキさん、この資料どこでしたっけ?」などと聞いてきてくれるようになった。
長い道のりだったが、その進歩にほんの少し褒めてやろう。
「なにやってるんだ!」
久々に課長の怒声がオフィスに響き渡り、俺ははっと顔を上げた。
隣の後輩も、驚きを隠せず細い目をがんばって見開いていた。
───またか。
そんな思いで腰を上げようとしたとき、すぐ近くにいた先輩が、細い人差し指を口元で立てた。
「……申し訳、ありません」
そう頭を下げたのは、同期だった。
同期も忙しいらしく、あれから夜をともにはしていない。
けれど、なんとなく自分の中でも冷静になれてきた気がする。
だからといって、すれ違うカップルをみては、「寒いから」といって、ぴったりくっついてきたカノジョを思い出したりもしている。
矛盾だらけの自分。
眠る前は、必ずといっていいほどカノジョのすっぴんが思い浮かぶ。
料理しようとすれば、手が滑ってお互い醤油まみれになったことも思い出す。
一緒にいて幸せだったのだろうか。
俺はやっぱり、カノジョがいないと寂しい。
できれば、カノジョを笑顔にさせるのは、俺でありたかった。
枕がしっとり湿るのは、後悔の印なのかもしれない。
そうして時間がたち、いまだ未練たらたらのまま、いつもの朝がやってきた。
相変わらず後輩の仕事ぶりにため息をつき、課長には怒られる。
だが、後輩も「ユキさん、この資料どこでしたっけ?」などと聞いてきてくれるようになった。
長い道のりだったが、その進歩にほんの少し褒めてやろう。
「なにやってるんだ!」
久々に課長の怒声がオフィスに響き渡り、俺ははっと顔を上げた。
隣の後輩も、驚きを隠せず細い目をがんばって見開いていた。
───またか。
そんな思いで腰を上げようとしたとき、すぐ近くにいた先輩が、細い人差し指を口元で立てた。
「……申し訳、ありません」
そう頭を下げたのは、同期だった。


