聞き込みに行ったつもりが妙な連中に絡まれて、大立ち回りを繰り広げるハメになった。

しかも従姉まで登場してコントのようなオチ。

まぁおかげで面倒から開放されたと、達郎は足どりも軽く帰路につく。

由美を押しつけた従姉には後で謝ればいい。

達郎は途中、コンビニに立ち寄ってペンとメモ帳を購入した。

由美から得た情報を整理するためだった。

コンビニのゴミ箱に背中を預けながら、達郎はメモ帳の1ページ目に「ジュースが渡った順番」と書きつけた。

馬場が口にしたジュースの缶は、天堂から渡されたもの。

その天堂は江川からジュースを受け取っている。

由美の話だと、江川と馬場の間には確執があったようだ。

ジュースを持ってきた江川が、毒を塗ったジュースを仕込むことは充分に可能だ。

ジュースを買うふりをして、隠し持っていたジュースを出せばいい。

そしてその毒付きジュースを馬場に…と考えて、達郎は舌打ちした。