「気をつけなよ」
達郎は押さえ付けている青色にささやいた。
「あの人、実戦空手の全国大会で優勝してる人だから。下手に絡むと殺られるよ」
「殺りゃしないわよ」
即答した麗美に、達郎は地獄耳とつぶやいた。
「あんたこそ合気道歴10年の黒帯でしょ。その気になりゃ腕の1本ぐらい折れるんじゃない?」
「折らないよ、まだ」
達郎は語尾の「まだ」を強調した。
それだけでも青色には充分効果的だった。
「は、放せ!」
青色は悲痛な叫び声をあげた。
その言葉に従い、達郎が手を放すと、青色は灰色と赤色のもとへ駆け寄った。
うめき声をあげ続ける2人に肩を貸すと、青色はあわててこの場から逃げ去っていった。
「覚えてろよとか言わないのね」
遠ざかる3人の背中を見ながら、麗美はなぜか残念そうに言った。
遠巻きに事の成り行きを見守っていた人たちから、小さな拍手が起こる。
「ありがとうレミ。おかげで助かった」
達郎は押さえ付けている青色にささやいた。
「あの人、実戦空手の全国大会で優勝してる人だから。下手に絡むと殺られるよ」
「殺りゃしないわよ」
即答した麗美に、達郎は地獄耳とつぶやいた。
「あんたこそ合気道歴10年の黒帯でしょ。その気になりゃ腕の1本ぐらい折れるんじゃない?」
「折らないよ、まだ」
達郎は語尾の「まだ」を強調した。
それだけでも青色には充分効果的だった。
「は、放せ!」
青色は悲痛な叫び声をあげた。
その言葉に従い、達郎が手を放すと、青色は灰色と赤色のもとへ駆け寄った。
うめき声をあげ続ける2人に肩を貸すと、青色はあわててこの場から逃げ去っていった。
「覚えてろよとか言わないのね」
遠ざかる3人の背中を見ながら、麗美はなぜか残念そうに言った。
遠巻きに事の成り行きを見守っていた人たちから、小さな拍手が起こる。
「ありがとうレミ。おかげで助かった」


