そして日曜日。

見上げるほどの青空が広がる快晴だった。

達郎は待ち合わせの時間きっかりにT公園の噴水の前に立った。

T公園は地元では人気の憩いの場所だ。

緑豊かな広い敷地を持ち、公園内には池や川もある。

高台に登れば遊具も充実しているため、家族連れも多い。

達郎のいる噴水の広場にはベンチや丸テーブルが並んでおり、散歩途中の夫婦が体を休めたり、若いカップルが人目もはばからず見つめあったりしている。

夏になると噴水に飛び込む子供たちの歓声に広場は満ちるのだが、今はもう11月。

肌に寒さが染みてくる今の時期は、さすがに広場は静かだった。

達郎は時計を見て頭を巡らせた。

するとこちらに向かって歩いてくる人影を見とめた。

茶色のコートに白いセーター。

黒のミニスカートがいつもの清楚なイメージから外れていた。

同色のロングブーツもまた同様。

陽射しを受けて輝く栗色の髪は、染めてきたのだろう。