ようこそ! 魔破街へ

「ふぅ、お昼か。サマナは食堂と購買、どっち派?」

「オレはどっちでも良いけど。ここは両方選べるんだ?」

「うん。正門側の方に食堂や購買部があるんだ。どっちにする?」

「コクヤは?」

「俺は購買派。人の多い学食ってあんま好きじゃないんだよね」

そう言ってチラっとクラスメイト達に視線を向ける。

それに気付いたのか、クラスメイト達はビクッと体が震えた。

「そう。なら購買にしよっかな」

「うん、じゃあ行こうか」

コクヤは笑顔になり、立ち上がった。

教室を出て行く時、サラが申し訳なさそうな顔で見送ってくれた。

購買へ向かう途中、他の生徒達や教師達はコクヤの姿を見ると、怯えた表情を浮かべ、顔を逸らす。

―コレは予想していたよりも、ヒドイものだ。

しかしコクヤは慣れているのか、平然としている。

購買には何人かいたが、それでもコクヤの姿を見ると慌てて去ってしまった。

「ここはパンがおススメだよ」