「沼淵…?」

不意に後ろから名前を呼ばれて
瑠璃は振り返った。

後ろに立っていた樋野が
不思議そうに瑠璃と柊を
交互に見ている。

何してるんだ?と怪訝そうな
顔をする樋野に瑠璃はどう答えて
いいかわからず柊の様子を伺う。

「お嬢様が学校を無断で
休まれているようなのです」

瑠璃の様子を察したの柊が話す。
今日?と樋野は少し目を丸くした。

「1日サボったくらいで
大袈裟だな」

あまりきちんと席に
ついているのを見たことのない
樋野は棗のいないことを特に
気にも留めていなかった。

「昨日からお休みですよ?」

瑠璃が樋野の言葉を
訂正するように言う。

「…昨日なら俺、朝見たけど」

昨日の光景を思い出しながら
樋野は答えた。