正直、『華厳の滝』っていうのがなんなのかが分からなかった。

多分…水が流れるタキだろう。

「タキも朝早いね。」

「でしょでしょ。」

偉いでしょーとニコニコした顔で言う。

あたしは、笑って上履きを履いた。

「ナルちゃん。昼休みとか暇?」

「…暇じゃないかも。」

年下には見えない背。

なのに、可愛い顔つきのせいか年下に見える。

「じゃぁ、暇だったらまた話そ。僕、大体あそこにいるから。」

タキはそう言って、校舎の中には入らず、反対の方角へ。

外へ出て行ってしまった。