これは、タキと会った時に出来た傷。

言えない。
言える訳ない。

「そういえば、昨日の話って何だった?」

良壱が隣に座ってきて、煙草の香りがする。

「…スイーツ食べ放題。」

「へぇ。」

夏弥の言いたい事が分かった。

「恐界連合トップの狡賢い蝶々さん。」

「はい?」

「…参加してください。」

良壱が煙を吐き出す。

「隣駅前のスイーツ食べ放題ね。」

あたしは言う。

確か3時間食べ放題だったはず。

にっこり笑うと、夏弥は溜め息を漏らす。

「那瑠には勝てない。」

「一生負け続けてね。」

「俺には勝てねぇけどな。」

「…喧嘩したくない。」

良壱と喧嘩したら、色々な意味で大変になりそうだから…。