刹那さんと出会ったのはニューヨークで、今から1年前。
日本に娘が一人で居るって聞いたら、『俺が日本に帰って、その娘さんを、面倒みたい!ってか、面倒みさせてほしい』とお母さんに頼んだみたい。
「刹那さんはね?あなたのことを心配して日本に行くって言ってくれたの。もちろん私も、日本で瑠華を守ってくれる人が居れば、すごい安心だわ!だから、私がそれを許したの」
「……じゃ、何で内緒に?」
「内緒にしてもらわないと、瑠華が反対するだろうからって刹那さんが、「それだけは本当にいやだから…俺は絶対に娘さんの面倒をみる」って。もし言ってしまえば、瑠華がその日で家を飛び出しちゃって、家出とかしても嫌だからって…」
「別にそこまでしないけど…」
「とにかく!刹那さんは、あなたのことが心配で、ここでやってる仕事も辞めて、日本に行ってくれたの!それを分かってあげて?」
なんだろう。
やっぱり、責められない。
あの人が私のことを……。
「…お父さんは?」
「勤さんとは、今も仕事は一緒よ?」
勤さん…。
お母さんがお父さんのをそう呼んだ。
やっぱ現実なんだ。
「じゃ、仲が悪くなって離婚ってわけじゃないんだね?」
「ええ。そうよ?」
「わかった…理由はまた後から聞く!今はいっぺんに聞けないし、整理できないから」
「わかったわ…また必ず連絡するから!刹那さんをよろしくね?瑠華」
「……うん」
そして、お母さんとの会話を終わらせた。
よろしくねって言ったって……。
家、出て行っちゃったし、あの人。



