グラウンドには、サッカー部の人達、そして顧問の先生が、BBQの用意をしてくれていた。
「なんか、豪華な歓迎会だね!陸一人の為に…」
ゆっこが驚いていた。
確かにスゴイ。
「部員一人一人を大切にしたいんだ」って言った先輩の言葉は、嘘じゃないんだって実感出来た。
「君達、こっちに来なよ!」
「はーい!…いこ、瑠華!」
「う、うん」
増田先輩に呼ばれた場所にはりー君が居て、ゆっこがりー君の側に座った。
そして私は自然とゆっこの側に。
そしてそして、お皿に肉をいっぱい乗せた増田先輩が私の側に座った。
(ち、近いよぉ////)
「鞄、おろしたら?ほら肉食べなよ!俺取りすぎちゃってさ!」
私は鞄を後ろに置き、無邪気に笑う先輩の顔を見て、心臓の音が聞こえるんじゃないかってくらいドキドキしてた。
「い、いただきます…///」
「どうぞどうぞ!」
先輩って、きっとモテるだろうなぁ。
優しいし、カッコいいし…
私、釣り合わないかも。
先輩の笑顔と、優しさを思うと、そう思えてきた。
だけど、もちろん先輩は、私がそんなことを考えてることは知らなくて、私に色々な話をしてくる。
恥ずかしくて、話は半分耳に入ってこない。
そして、時間は刻々と過ぎていき、気づけば辺りは暗くなっていた。
私は、刹那さんの事をすっかり忘れていた。



