するとその男の人は、拗ねたように言い始めた。
「しかし総長、本当にあの親父に着いて行っちゃうんだもんな〜アメ……」
「その話はやめろ」
「あ…す、すいません…」
男の人が最後まで言うことなく、刹那さんに止められた。
(いったい何…?)
私、本当にこの柳下刹那について知らなさすぎだよね。
って言っても、簡単には過去の事とか教えてくれそうにはないし。
(アメ…って何だろう)
私が考え事をしていると、猿鳶さんが私をジーッと見つめてきた。
「な、何ですか?」
「ねぇ、名前なんて言うの?」
「瑠華です…如月瑠華…」
「瑠華ちゃんかぁ〜…可愛いね!」
「えっ?」
男の人に可愛いだなんて言われた事ないから、正直驚いた。
「彼氏は?」
「い、いないです」
「好きな人は?」
すごい興味津々に聞いてくる猿鳶さんは、私の近くまで寄ってきた。



