春夏秋冬



「……待ってたよ。二人のどっちかが行動すること。行動を始めること。一歩踏み出すこと。でももう限界でしょ?だって冬、三年なんだよ?」


その言葉がなにを表しているのか、すぐに分かった。

三年、冬が終われば春。春になる前に、俺たちは卒業する。

卒業すれば、学校ですら会えなくなる。


だからさっさとくっつけと。

そう言っているんだろう。


「どっちかが動かないと、始まりもしないんだよ?」


確かに、葉月の言うとおりだ。

二人が遠慮し合っていたらなるものもならないだろうな。


実際それが現状だ。


「それに……最悪、勘違いしてて動けないって理由も……」

「……は?」