春夏秋冬



「ごめんね。冬くん、ココアでいいかな?寒いでしょ?」

「うん、あ、ありがとう」


睦月を見て、なんで睦月は"睦月ちゃん"て呼ぶくせに俺は呼び捨てなんだ?なんて不満に思ったことは秘密にしておこう。


「ごゆっくりね」

「ありがとう」


睦月は行ってしまった。


「じゃ、話そっか」


そう切り出してきた葉月。


「睦月のこと?」

「そうだよ」


にっこり笑う葉月を見ると、一見楽しそうな内容なのかと思う。

でも葉月はときどき鋭いこともこの顔で言うから、なんとも言えない。


「冬さ、睦月ちゃん好きだよね?」