あっという間に着いてしまった睦月たちの家。
もう数え切れないほどお邪魔しているなじみ深い家。
一時は毎日のようにお邪魔していた家も、卯月と春がくっついたことで減った。
「どうぞ」
「お邪魔します」
いつもと少しだけ状況が変わっただけ。
卯月じゃなくて、睦月に言われた"どうぞ"。
ちなみに葉月はさっさと家の中に入ってしまった。
あんなに馴染み深かったのに、なぜこんなにも緊張しているんだろう?
もう馴染んでいるのに、むしろ先に話すのは睦月じゃなくて葉月なのに。
「えっと、葉月の部屋行っててください。飲みもの持って行きますから」
「あ、うん、ありがとう」



