……そして溢れる涙。 「……秋」 春の心配してる声が聞こえる。 「秋、あっち行こう?で、話して?ね?」 まだ始業チャイムまで時間がある。 あたしは小さく頷いて、春に引かれるまま歩いて行った。 春の足が止まり、自然とあたしの足も止まる。 涙で自分が今どこにいるのかはわからない。 でも、遠くではない場所。 「……秋、何があったの?」 優しく聞いてくれる春に安心する。 ……あたしがほしい、安心感。 ナツに与えてほしい安心感。