春夏秋冬



うわ、めちゃくちゃ恥ずかしい!!

バランスを崩しながらも逃げる体勢になろうとする体。


いざ逃げようと体勢が整った瞬間、あたしは腕を掴まれた。


「逃がさないよ」


甘い言葉と共に。


その体勢で数秒が過ぎる。


もう逃げられない。

分かっているはずなのに逃げようとする体。


「俺のこと、嫌いになった?」

「違う!!」


とっさに振り向いて答えていた。

彼の瞳に映る自分が、必死な顔をしてる。


先輩との距離はすごく近くて、でもなぜかその目からそらしたくなくて……。