ううん、あの時はまだ尊敬と信頼の段階だった。 体が反応しなかったもん。 第二のお兄ちゃんて感じだった。 それが先月いきなり逃げ始めたもんだから……先輩ビックリしただろうな。 「そろそろ……嫌われるかな?」 「嫌わないよ?」 ・・・へ? あたしは声のした方向……つまり真後ろに振り向いた。 「やっと見つけた」 そこには、ニッコリ笑う卯月先輩がいた。 「ひゃっ」 とっさに逃げようとしたら変な声も一緒に出てきた。