正直、避けるようになってたことは知ってた。
目が合うと、相手が先に視線をそらすようになってた。
だからかな?
いつしかあたしから逃げる行動をしなくなった。
それは、もうあたしもその人のことを好きではなくなっていたってこと。
あぁ、初恋って案外簡単に崩れ去るものなんだなって思って帰った。
そしたら家に卯月先輩が遊びに来てて……止まっていた涙が再び溢れだした。
先輩を見ただけで、なんだか安心してしまったみたいで、しばらくしがみついて泣いてた。
お兄ちゃんの友達をあたしが独占しちゃって、ちょっと悪い気もしてたけど、でもなんだか泣いていたい気分だったんだ。
泣いてる間ずっとあたしの頭を撫で続けていてくれた卯月先輩。
もしかしたら、その時すでに始まってたのかな?



