「アリサ、彼氏できたんだ。よかったね」 陽と付き合った時、夏海はあたしの両手を握り祝福してくれた。 それも全部演技だったんだろうか。 いつかあたしから陽を奪おうと考えていたの? 人を疑うことはしたくない。 でも信じることも怖い。 また信じて裏切られるのが堪らなく怖いんだ。 この日、あたしは授業の内容など一つも頭に入らなかった。