その時一瞬だけ、玄関先に置かれていた女物の靴が目に入った。 「ちょっと待って。誰かいるの?」 「何で?」 「女の人の靴が……」 「お前には関係ないだろ」 そう言うなり陽はキッと目を吊り上げ玄関の扉を勢いよく閉めた。