学校が終わるとあたしは真っ先にある場所へ向かった。 


「……遅い。お前何してたんだよ」


「ごめんね。ちょっと授業が延びちゃって」


チャイムを押すとすぐに不機嫌そうな顔をした陽(よう)が扉を開けた。


「とにかく腹へってんだよ。早く何か作れよ」


「うん。ちょっと待っててね?」


あたしは苛立つ陽の顔色を伺いながら部屋に足を踏み入れた。